比叡山延暦寺観光と交通。現地での失敗から学んだ、お得なパス情報。

京都市から登って大津市に下る、比叡山越えルート。延暦寺各エリア観光の楽しみ方、観光情報をご紹介します。

※2023年9月時点の情報です

旅程

車ではなく、公共交通機関で比叡山めぐりを楽しむ旅程。

多くの種類の乗り物に乗って、様々な角度からの眺望を楽しめるルートです。

<1日目>

  • 京都駅を出発
  • 京都市内八瀬から、ケーブルカーとロープウェイを乗り継いで比叡山頂へ
  • 延暦寺の宿坊に宿泊

<2日目>

  • 比叡山巡り観光
  • 坂本ケーブルで滋賀県大津市へ
  • 老舗蕎麦店立ち寄り後、JR比叡山坂本駅へ

JR湖西線で、比叡山坂本駅から京都駅まで乗車時間15分程度です。

京都駅発着で、朝から行動を開始したら日帰りも可能ですが、延暦寺で一泊する一泊二日の工程の方がが、比叡山延暦寺を堪能できますよ。

叡山ケーブル・叡山ロープウェイで比叡山頂へ

まず、叡山ケーブルに乗るための、麓のケーブル八瀬駅までは、アクセスが良いとは言えません。

京都駅から大原行きのバスに1時間乗るか、地下鉄で国際会館まで行って、そこからバス又はタクシー、はたまた2.5㎞歩くか、京阪で出町柳駅まで行って叡山電車に乗るか。選択肢も様々です。

京都のどこから・何時に出発するのかや、比叡山に向かう前にどこを観光するかに応じて、ルートを決めましょう。

京都駅を起点とすると、一番安いのがバス1本で行く方法、そして一番時間が短いのが地下鉄で国際会館まで行ってタクシーに乗る方法です。

ケーブル八瀬駅まで辿り着くと、すっかり遠くまで来た気分です。

叡山ケーブル

ケーブル八瀬駅~ケーブル比叡駅

大人片道550円

距離1.3㎞の急坂を上るケーブルは、標高差が560m以上。乗車9分間の間に外気温が5~6度下がります。

進行方向右下には京都市街が展望でき、それがどんどん小さくなっていきます。

叡山ロープウェイ

ロープ比叡駅から比叡山頂駅

大人片道350円

ケーブルを下りると、すぐ目の前がロープウェイの駅です。移動時間は3分あればOK。

この比叡駅周辺では、京都市街を一望できるだけでなく、天気が良いと大阪のビル群まで眺められるビュースポットがあるので、ロープウェイに乗る前に小休止もアリです。

ロープウェイに乗ると、ぐーんと標高150m上るので、京都市内はかすんでしまうほど遠くになりました。

さらに外気温が下がります。夏は快適!

ロープウェイ比叡山頂駅を下りると、そこから延暦寺の根本中堂までは約2キロです。

歩けない距離ではありませんが、バスに乗りました。

山頂からのバスで、今度見えてくるのは、滋賀県側の景色!

バスの高い位置の座席から、琵琶湖のとてもいい眺めです。

延暦寺バスセンターで下車、運賃は250円でした。

比叡山めぐり

比叡山は大きく三塔の地域に分かれています。

巡拝料は、3地域共通券で1,000円。

延暦寺会館に宿泊の場合は、この参拝料が含まれているため、別途支払う必要はありません。

日帰り観光客が少なく、夏なので気温が上がらないうちにと、午前中に三地域めぐりをしました。

各エリア間の移動は、シャトルバスを利用しました。

これが失敗の原因に・・・。の話はあとにして、各地域の見て良かった場所をご紹介します。

<東塔地域>

東塔(とうどう)地域は、延暦寺を訪れる人はここに来るという、延暦寺の総本堂である根本中堂のある場所です。

三塔地域の中で、飲食店があるのはこの東塔エリアだけです。

根本中堂

根本中堂は、2016年から10年をかける大改修中。

改修中も堂内の見学は可能で、有名な「不滅の法灯」も安置されています。

また、改修中だけ特別に中庭にステージができており、屋根の高さまで登って見ることができます。

大講堂

国の重要文化財に指定されている、僧侶の学び場。

大講堂のそばにある鐘楼は、50円で誰でも鐘を突けます。観光客が多いシーズンは、ずーっと鳴っています。

阿弥陀堂

昭和に入ってからの建物ですが、佇まいが美しいので必見のお堂です。

阿弥陀堂の前(お堂に向かって右側)に、水琴窟があって、きれいな響きが聞けます。自宅に欲しいものの一つです(笑)

東塔エリア内にある延暦寺会館は、喫茶コーナーが実は絶景カフェなので、休憩はぜひこちらで。

<横川地域>

東塔から一番離れているのがこの横川(よかわ)地域です。

東塔地域からバスで片道700円。奥比叡ドライブウェイを走り、15分弱かかります。

横川は、親鸞や日蓮も修行した地域。ここでは、横川中堂と恵心堂の2か所を見学しました。

この横川地域の本堂が、横川中堂です。

横川中堂

石垣の上に建てられた朱塗りの建物が印象的なお堂。

創建は848年と歴史があるものの、現在の建物は昭和46年に再建された鉄筋コンクリート造りです。

横川中堂の正面

恵心堂

念仏三昧の暮らしを送った、恵心という位の高いお坊さんの旧跡。

源氏物語に出てくる「横川の僧都(そうず)」のモデルとされている方だそうです。

舗装されていない砂利道も多いですが、空気のきれいな森の中の散策ができます。

バスの時刻表と相談しながら見学時間を決めますが、ここでは二つのお堂だけの見学で45分取りました。かなり急ぎ足でした。

バス停からお堂たちまで10分くらい歩くので、四季講堂などを含めた横川地域全体を見て回る場合は、90分は欲しいところです。

<西塔地域>

西塔(さいとう)地域は、にない堂と釈迦堂、浄土院が必見ポイントです。

バス停からしばらく歩くと、お堂のあるエリアに到着します。

親鸞聖人修行の地という石碑の奥に、同じ形のお堂が二つあります。

ふたつ合わせてにない堂。

二つのお堂を渡り廊下でつなげてあり、弁慶がその廊下に肩を入れて担ったという話です。

分かるような写真が撮れていませんが・・・・。

にない堂から階段を下りたところにあるのが、

釈迦堂

西塔地域の本堂にあたる釈迦堂です。

比叡山内で最古の建物で、信長の焼き討ち後に秀吉が大津の三井寺から移築したそうです。

今でいう、公共事業のような取り扱いだったのでしょうか、大変な労力ですね。

浄土院

天台宗の最澄(さいちょう)の御廟で、国の重要文化財。

建物の様子も、白い石が敷かれた前庭も、管理が行き届いていることを感じさせます。

西塔地域の見学にも、90分あれば余裕があります。

私は日が高くなってきたことによる暑さで、1時間弱で切り上げましたが。

なお、ここから東塔地域まで1キロなので、未舗装の山道&階段を歩いて20分ほどだそうです。

私は、この階段を上っていくことができず、バスに乗りました。西塔から東塔まで、運賃250円也。

坂本ケーブルで滋賀県へ下山

東塔地域は、坂本ケーブルの駅があります。

琵琶湖に向かってケーブカーで一気に山を下ります。

坂本ケーブル

ケーブル延暦寺駅からケーブル坂本駅

大人片道870円

距離が長く、途中トンネルもありました。

眼下に広がる琵琶湖

2日でケーブルカー2路線に乗車することって、なかなかありません。

ランチ

本家鶴㐂(つるき)そば

遅めのランチは、比叡山延暦寺の御用達として300年続く老舗の蕎麦屋にしました。

重厚感のある店舗建物は、築130年で、国の登録有形文化財だそうです。

週末だということもあり、13時過ぎても大行列でしたが、なかなか来れないお店ですし歴史を感じたいので、待ちました!

いただいたのは、天婦羅せいろです。

お蕎麦、至って普通のお味に感じました。

天婦羅、衣もうちょっと薄い方が好みです。揚げたて熱々だとよかったのですが…冷めてました。

忙しそうだったので、仕方ないかもしれませんが、辛口コメントですみません。

なお、山頂の延暦寺の境内にも、そば店『鶴喜そば』があります。

元々は一つの蕎麦屋だったらしいのですが、7代目で分家として、別の経営スタイルで始めた会社だそうです。

で、本家の方の『本家鶴㐂そば』は、手打ちそばでこの1店舗だけの営業をされているとのこと。

本家と分家って、由緒あるお家柄の話なんかによく出てきますが、300年も続く老舗のお店ならではのエピソードですね。

お金の話:お得なきっぷのチェックは怠るべからず

今回の延暦寺三塔めぐりには、各地域間の移動に、比叡山内バスを利用するか、歩くかの選択肢がありました。

気温と体力と時間次第ですが、私はオールバスを選択。

二日目に、三塔めぐりで支払ったバスの運賃は、以下の通りです。

  • 東塔~横川 700円
  • 横川~西塔 600円
  • 西塔~東塔 250円

合計1,550円

しかしながら、こんなものが存在していました。

比叡山内バス1日乗車券 1,000円

事前に全く情報検索しておらず、当日のバス車内にもこの乗車券の広告宣伝は無く、完全に情報取得漏れ。

宿坊に宿泊することで、参拝料金を別途収める必要が無い、ということで満足しておりました。

お得に旅するなら、交通の便についての事前チェックをしておくべきでした。失敗。

日帰りであれば、出町柳からケーブル坂本までに、延暦寺巡拝券(1,000円)がついた叡山電車のフリーパスがお得です。

比叡山フリーパス 3,500円

ただ、このあたりのフリーパスは、いつでも販売されているということではなさそうなので、やはり事前に情報検索が必要です。

旅に出る時は、お得情報の検索と要否の見極め、怠ってはいけませんね。

延暦寺会館の宿泊についての記事はこちらです。こちらもぜひ読んでみてください。

以上、比叡山延暦寺の観光と交通についてでした。

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