青春18きっぷで、名古屋から木曽路を日帰り。南木曽~妻籠宿てくてく歩き旅

名古屋から日帰りひとり旅。
JR南木曽駅を起点に、周辺観光と旧中山道を歩いた旅をご紹介します。

旅程

大好きな木曽路の、旧中山道をちょっと歩いてみたい。特に好きな妻籠へ歩いていこう!とプランを立てました。

島崎藤村の『夜明け前』を読んだことで、とても親近感を覚えている地域です。江戸から明治の木曽での生活が、ものすごーく丁寧に描写されている本です。

長野県南木曽町へ。名古屋からの移動含めて、全9時間の旅でした。

  • 8:20~10:18 JR名古屋駅~南木曽駅
  • ~11:30 南木曽~妻籠ウォーキング
  • ~13:44 妻籠観光
  • ~14:42 南木曽観光
  • 14:42~15:59 南木曽駅~多治見駅
  • ~16:59 多治見のカフェ
  • 16:59~17:37 多治見駅~名古屋駅

JR南木曽駅まで

JR中央本線で、名古屋から南木曽駅まで。中津川駅で乗り継いで約2時間です。

乗り継ぎの中津川駅構内には、「これより北 木曽路」の石碑

駅そば店は、朝なので営業準備中でした。

中津川から先は、普通列車の本数が激減します。時刻表要チェック路線。

中津川から先、山間ののどかな風景の中を走ります。

南木曽~妻籠宿3.8㎞

南木曽駅から妻籠までは、4キロ弱。

旧中山道を歩きました。

小さな分かれ道にも案内標識があるので、地図が無くても全然迷わず歩けました。

途中に、いくつも足を止めてしまう見どころがあったので、写真でご紹介します。

和合の枝垂梅(町の天然記念物)

江戸時代、木曽谷有数の造酒屋の庭木として愛育されてきたという街道沿いの古木。

春は花がきれいでしょうね。

JRの線路を見下ろし

SL広場を抜け

セミの鳴き声に交じって、山から木を切るチェーンソーの音が聞こえたりします。

木曽義仲のかぶと観音

木曽義仲が、平家打倒の戦いに向かう際に、ここに観音像を祀ったのが始まりという地です。

その観音像は、木曽義仲のかぶとの装飾に据えられていたもの。それで、かぶと観音と言うんですね。

旧中山道を歩いていると、石畳の部分もありました。江戸時代のものにしてはキレイ。

道沿いには、ぽつぽつと民家もあって、江戸時代の街道の雰囲気が残っています。

かりたての草の匂いが、気持ちいい。

上久保の一里塚(町史跡)

原形をとどめている一里塚!

一里(4キロ)ごとに、街道の両側に対になるよう高さ3メートルの小山を作って、木を植えたのが、一里塚。

旅人にとって、便利な目印かつ休憩場所ですね。

ここは、江戸から数えて七八里目の塚だそうです。

元は茶屋だった古い朽ちかけの建物も、旧街道の味。

妻籠城址(県史跡)

妻籠宿を見下ろすことができるので、立ち寄ろうと思っていた妻籠城跡。

家康と秀吉の「小牧・長久手の戦い」でも、ここも戦場となったし、「関ヶ原の戦い」の時も使われたそうです。

ところが! 最近熊が目撃されたという注意書きが。一人歩きだし、音の出るもの持ってないしで、数分の逡巡の末、登頂を断念しました。

城跡への入り口を通り過ぎると、間もなく「これより妻籠宿の町並み」の標識があり、それを過ぎるとすぐに、古い町並みに突入しました。

熊谷家住宅(町有形文化財)

19世紀初頭に建てられた長屋の一部が、無料開放されています。

囲炉裏の周りの家族の膳から、家長筆頭に長男の座る場所など決まっている様子が伺えます。

家の中にお邪魔すると、当時の生活が身近に感じられました。

さらに歩いて、高札場のある坂道を下ると、よく写真で見る妻籠宿の中心に入っていきます。

ここまでで、歩いた時間は1時間弱でした。

妻籠観光

(国の重要伝統的建造物群保存地区)

暑い中歩いてお腹が空いていたので、まずこちらのそば屋へ

冷たい「きのこ山菜蕎麦」をいただきました。

妻籠宿は、木曽の宿場の中で最も保存状態が良く町並みが残されています。

格子戸や土壁が、江戸時代からよく残ってる。いち早く町を挙げての保存活動が、功を奏したということです。

ここに来たら欠かさず寄るのが、栗きんとんの「澤田屋」さん。美味しいので、添乗の時、バスの中でいつも紹介していました。

右前方の青いのれんのお店です。変わらず美味しかった!

お盆も過ぎて、8月の夏休みとはいえ、旅行客が少ない時期で、通りは静かです。

太陽が天頂に達して、気温が上がっています。

帽子も日傘も無い外国人観光客が、心配になりました。

厩(うまや)。江戸の徒歩移動時代、荷運びに欠かせない馬の手配をするのも、宿場町の仕事だったそうです。

郵便局の中にある、無料の郵便資料館。

明治時代に郵便制度が始まった時、宿場町の本陣が郵便局の役目を任命された歴史が分かります。

これも、『夜明け前』に書いてあった!興味深い~。

暑いのでこちらのお店で休憩です。

おいしいかき氷をいただきました!

抹茶ミルク金時で、生き返る。

妻籠を満喫したので、南木曽駅に戻ります。

妻籠から南木曽駅まで、復路はバスに乗りました。バスの便もほとんどないので、事前の確認が必要です。

こんな素敵な観光地なのに、なんて不便な交通網…。

南木曽観光(桃介橋・福沢桃介記念館・山の歴史館)

南木曽駅で、次の列車までの1時間近くを、周辺観光に費やしました。

桃介橋 (国指定重要文化財)

大正11年に架けられた、国内最大級の木製吊り橋です。

景観とマッチした全体も、橋脚のデザインもステキ!

長さは、247m。

当初は、発電所の建設資材を運ぶトロッコのレールが敷かれていたそうです。吊り橋にトロッコ!?

橋を渡ると、清流の上を歩けます。この眺めも楽しい。

橋の名前になっているのは、福沢桃介さん。

福沢諭吉の娘婿で、大正時代に木曽川流域に7つの水力発電所を建設した人だそうです。

福沢桃介記念館

その桃介さんが、発電所建設に伴って建てた別荘が、記念館として開放されています。

西洋風だけど、天井が低かったりふすまだったりと、おしゃれな和風という印象がありました。

発電所の建設のために、強引に水利権を買い進めて、地元の有力者との争いもあったそうです。

東京から来た大富豪に、いい所持っていかれるイメージでしょうね。

山の歴史館

現在国有林となっている木曽の山林の、当時の御料局(管理局)の建物です。

中は、違法に伐採や取引をした容疑者の牢屋などがありました。

そういえば、島崎藤村の『夜明け前』の中にも、木曽で暮らす人が、隠れて木を切って、縄を打たれている部分があったのを思い出しました。

木材で生計を立てていた人も多いので、厳しい統制について何度もお上に訴えるのですが、結局、なけなしのお金をもらって、泣き寝入りさせられるまでが書かれていて、辛かったです。

歴史館の建物内部で面白かったのは、西洋風の外観なのに、畳に押し入れとか、囲炉裏のある部屋があったこと。

この頃は、まだ電気のある生活じゃなかったんだ~と当時の生活に思いを馳せることができました。

多治見の喫茶「わに」

南木曽駅からのJR、14:42の次は、約2時間後の16:28まで、列車が無いのです。(2023年8月時点)

南木曽駅周辺には、ほとんど飲食店が無いので、多治見まで移動して休憩することにしました。

多治見駅に降り立つと、熱気が!夕方なのに、昼間の南木曽より明らかに暑いです。

以前多治見に観光で来た時に見かけて、とても気になっていたカフェ「わに」

本屋と同じ建物の中にあって、好きな雰囲気のカフェです

小腹を満たす、ベーグルのサーモンサンド

温めたもちもちベーグルに、とろっとしたスモークサーモン・人参・クリームチーズ。おいし~。

本のディスプレイをする棚が、多治見らしくタイルを使ってあって、美術館のようでした。

昨年の多治見観光のブログ記事もぜひ読んでみてください。

気温が下がったら、妻籠から馬籠までを歩きに行きたいです。

お金の話:この日使った費用公開!

  • JR(青春18きっぷ)2,410円
  • バス(妻籠~南木曽) 300円
  • 記念館・歴史館 500円

ここまで、交通費と観光費で3,210円

  • 昼食(そば) 1,210円
  • かき氷 650円
  • おやつ(ベーグルサンド) 1,000円

これら飲食で2,860円。

合計6,070円でした。※お土産代含まず

この日に乗ったJRは、名古屋~南木曽、南木曽~多治見、多治見~名古屋の3回です。普通運賃は、3,810円。

青春18きっぷが2,410円なので、1,400円お得でした!

今年の夏の18きっぷの旅、残すところあと1枚。最後は大阪へ!

以上、南木曽から妻籠の歩き旅でした。

盛りだくさんの内容でしたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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