株主本人じゃなくても使える株主優待があるのをご存じですか?誰でもお得に旅行する方法があるんです

数式やグラフばかりのファイナンス理論ではなく、実生活で身近に使えるファイナンスネタの一つとして、読んでみていただけると幸いです。

株主優待というと、その会社の株を持っている人だけの特権のように考えがちですが、中には株主以外の人が使うことができる優待もたくさんあります。今回は、そのうち、鉄道会社の株主優待を使ってお得に旅行をする方法をご紹介します。

<鉄道会社の株主優待とは>

JR各社と私鉄の株主優待には、その会社の鉄道の無料乗車券や、割引率の高い割引券などがあります。

鉄道会社株主優待の一例がこちら(JR東日本)

私自身も、保有する株で取得した株主優待を使って、お得に旅行を楽しんでいますが、時には、株を保有していない会社の優待券も活用しています。

というのも、これらの優待券は無記名なので、ネット販売や金券ショップ等で入手できるのです。株主じゃなくても、誰でも使えます。

正規金額と優待券を使った金額を比較してみて、その差額より安く株主優待券を入手できる場合は、優待券を使うとお得です。

計算に使う優待券の金額は、時期や需要量によって異なるため、その時の相場をネットで検索しながらの検討をお願いします。

具体的な使用例1 <JR東日本>

東京から新花巻まで東北新幹線で旅した実例です。

JR東日本の株主優待を使うと、乗車券だけではなくて、特急券やグリーン券も含んだ値段から4割引きしてもらえるので、正規料金の6割の金額できっぷを購入できます。

片道の正規料金:

乗車券8,030 + 特急料金5,580 = 13,610円

株主優待を使った場合の料金:

 運賃4,810 + 特急料金3,460 = 8,270円

割引された乗車券と特急券

片道が差額の5,340円、安く買えます。往復だと10,680円の割引となります。

これが株主だけが使える制度かというと、そうではなく、株主ではない人も、優待券を使って割引料金で切符を買えるんです。

優待券は、ネットや金券ショップ等で買うことができます。JR東日本の株主優待も、販売されています。金額は有効期限の残り時間等によって変動しますが、ネット検索すると、3,500円前後が相場のようです。

3,500円で優待券を買うことで、5,340円の割引が受けられるので、一人片道1,840円、往復で3,680円お得です。

※一列車につき1枚の優待券が必要なので、往復だと2枚の優待券を使います。

2人分だと、7,360円も安く新幹線に乗れるんです。浮いたお金は、夜の飲み代やお土産に充当できますね!

具体的な使用例2 <近鉄電車>

名古屋から、奈良県にある、花の寺として有名な長谷寺まで、近鉄に乗って旅する例です。日帰りでも行けちゃうプランです。

近畿日本鉄道の株主優待は、1枚で片道どこまででも乗れるという乗車券です。これを往復で2枚、金券ショップなどで買って利用してお得な旅をするという旅プランです。

片道の正規料金:

 1,950円

株主優待を使った場合の料金:

1,325円 ※ネット販売で実際に売られていた価格を参考にしています

差額は625円なので、往復で1,250円お得に乗れます。浮いたお金で、現地でランチ代にも!

優待券の販売金額は、有効期限の残りや需要量によって変動します。金券ショップよりメルカリやヤフオクの方が安かったりしますし、売れ残りがあればですが、使用期限満了が近いものを狙うと、安く買えます。

旅プラン

名古屋から奈良県の長谷寺まで、近鉄に乗って日帰り旅行するプランです

■日帰りのスケジュール例(2022年11月平日)

  • 08:19 近鉄名古屋を出発 伊勢中川で乗り換えて
  • 11:01 長谷寺駅に到着
  • ~長谷寺をゆっくりお参りして、ランチなどを含めて3時間強の観光
  • 14:19 長谷寺駅を出発 また伊勢中川経由で
  • 17:04 近鉄名古屋に到着

往復どちらも、普通列車で所要時間が2時間45分くらいなので、車窓の景色を眺める時間がたっぷり!

特急券を買うと、特急にも乗れますが、往復で逆側の車窓をゆっくり楽しむことができるので、旅好きには普通列車がいいのではないでしょうか。

<追加情報>

このように、株主じゃなくても使える株主優待を活用することで、お得に旅行ができます。

ぜひ、遠くに出かける際は、利用する鉄道会社の株主優待の有無を確認してみてください。

余談ですが、鉄道の株主優待では、定期券のように使える乗車証タイプがある会社もあります。

関東では東急や小田急、関西では阪急や阪神、中部では名鉄や近鉄。地方都市でも、路面電車で有名な広島の広電や、SLも走る埼玉の秩父鉄道などに、乗車証タイプの株主優待があります。

ただこれ、必要な最低株数が大きくて、投資額がかなり高額になるので、保有はあまり現実的ではないように思えます。優待を受けようとすると、数百万から数千万の投資額となるためです。

それでも「優待が続く限り、何年でも全線好きなだけ乗れる」と、この乗車証を保有しているという知人がおり、上手に活用されています。余裕があって度々その鉄道を利用する生活であれば、いいですね。

以上、誰でも利用できる株主優待を使ったお得旅行方法のご紹介でした。

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