奈良県南部の十津川村へ車で旅行した際の失敗談と、心に残ったお宿と観光場所をご紹介します。
※記載内容は2024年8月のものです。
十津川温泉に行ってみたら
早めに十津川温泉まで行って、お昼ご飯食べたり散策したりしようという計画で、温泉の場所だけ確認して昼過ぎに到着しました。
現地で見つける楽しみを優先して、何も調べずに行ったのが失敗。十津川温泉には、お昼ご飯を食べるような飲食店も、お茶できる喫茶店も、一軒も無かったんです。
地元の方に聞いても、十津川温泉内にはないし、ちょっと車を走らせたところで無い、との回答。
また、川が近いし山の中だから、少しは涼しいだろうという期待も裏切られ、真夏の酷暑はここも変わらず。とても昼間から温泉に浸かったり、外を散策する気温ではありません。
仕方ないので、国道沿いにある地元の方御用達っぽい、小さめのスーパーで、パンやお菓子などを買って、昼食替わりにしました。
利用したのは「スーパーヤマイチ」、他にコンビニっぽい「コミュニケーションストアーふくおか」というお店もあって、アイスやちょっとしたお土産はこちらが便利です。
初めての場所で、隣の集落まで歩ける距離ではないというほどの地域に行く際は、ざっくりとでも下調べしておくべきですね。営業している飲食店の有無くらいは・・・。
十津川村温泉は、昼間空いている飲食店がゼロでしたが、それだけに人が少なくて静かでしたし、集落の雰囲気は穏やかで、時間の流れがゆっくりに感じられました。360度山に囲まれた秘境であるということを十分に堪能できるステキな田舎です。
ゑびす荘宿泊記録
地産地消野菜の食事に心惹かれて予約をしたのは、十津川温泉に5,6件あるお宿のうちのひとつ「ゑびす荘」。
路線バスはあるものの本数が少ないので、車じゃないと、かなり行きにくい場所です。
国道168号から、十津川温泉の小さな集落への、細い道を入ってすぐのところにお宿がありました。
部屋数は6部屋で、お若いご夫婦がおもてなしをしてくださいます。
部屋は2階の和室。建物は古そうなのですが、とても清潔感のある室内で、広縁の居心地もいい感じです。
夏の間は毎日暑かったですが、この日もとても暑い日だったので、冷たいおいしい麦茶と、手作りのマーマレードがありがたかったです。
夕方になると、部屋にお花が飾られて、一層ステキな空間になりました。
夕食
夕食は、一階の広い和室でいただきました。畳の上に座布団で食事をする機会が減ったので、久しぶりの和スタイル!
地元の十津川さんの野菜を中心として、化学調味料を使用しない素材を活かしたこだわりのお食事を出されるということでこちらのお宿に決めたので、とても楽しみ。
前菜の野菜3品は、どれも控えめな味付けで、素材の美味しさを味わうことができました。
特にトウモロコシが、甘みが強くておいしかった!
イモのグラタンやピーマンの餡掛けなど、多種類の野菜を使って、それぞれに丁寧に作られたお料理は、一口ごと味わう大人の食事です。
一品ごとに出来立てを運んでいただけるのも、嬉しい。
メインは鍋。真夏にお鍋⁉と驚いたのですが、食べてみるとこれはもちろんアリでした。
まずはきのこからどうぞと供されたのは、たっぷりのきのこたち。十津川村にはきのこの栽培工場があるそうです。
これが、どれも大きくて香りの良いきのこたちで、それぞれ違う食感が楽しい盛り合わせでした。野菜は空芯菜と金時草で、どちらも新鮮でピカピカでした!
そして、十津川村の鶏肉。皮側だけが炙られているので、きのこ出汁がたっぷり出た鍋で茹でていただきます。
お腹いっぱい!と言いながらも、ペロリと完食しちゃいました。
ご飯は、温泉で炊いたご飯。ほんのり黄色く色づいています。鍋つゆでお茶漬け風にするのもおすすめとのことでした。
デザートに自家製アイスクリームと手作り梅ジャム。
夕食時にいただいたのが、地酒の「十津川谷瀬」という純米酒。十津川産の酒米で作られているそうです。
飲み口がさらりとしていて、野菜料理にとてもよく合いました!
何もかもが、とてもおいしかったです!
館内は生きたお花が多く飾られていて、これほど揃えるのは大変だろうなと思います。近所で摘んでくるのと、買い求めるのと併用していらっしゃるそうです。
温泉
お宿の温泉は、源泉かけ流し。加温も加水もしないほんものの温泉が湯船に注がれているそうです。
内湯二か所と露天が二か所の合計4か所あり、どれも貸し切り。人が入っていなければいつでも自由に入れますというスタイル。
そのままだと熱いので、水で温度調節しながらどうぞということでした。確かに、源泉の温度は分かりませんが、我慢すれば3秒はいける?というほど熱く感じたので、迷いなく水を入れて入りました(笑)。
この日は3組の宿泊でしたが、タイミングが良かったようで、入ろうと思ってお風呂に行くと必ず空いているという状態。全くストレスなく温泉を楽しめました。
露天風呂からは、星空がキレイで、久しぶりに天の川を見ましたよ!
朝食
朝食も、夕食と同じ所にご用意いただきました。
これが、山の朝ごはん!川魚の甘露煮、佃煮、色とりどりの野菜料理。
茶粥も出していただいたのが、奈良っぽいです。
温泉で炊いたご飯に、具沢山のお味噌汁。最高です。
ゑびす荘、すごく居心地のいいお宿でした。
宿泊代金がとても良心的なので、次は真夏は避けて、温泉を楽しめる季節に2泊以上で籠りたいです!
谷瀬の吊り橋
十津川温泉から国道168号線を北上していくと、村一番の観光スポット「谷瀬の吊り橋」に行けます。
長さ297.7m、高さ54mの巨大な吊り橋です。
ここは、駐車場料金が800円、吊り橋は無料でした。
橋は、一歩進むごとに揺れます。かなり揺れます。
揺れが大きいのと、床面は中央には木の板が貼ってあるものの両サイドは金網で下に吸い込まれそうに見えるのとで、少し進んだけど揺れに足が止まって引き返したり、怖い怖いと腰を落として進めない人が続出でした。
吊り橋の周囲には山がそびえ立ち、眼下には十津川が流れる絶景!
橋の上にいる人が減ると、揺れもなくなります。私は高い所が好きなので、谷瀬の吊り橋で長らく空中散歩を楽しみました。
お金の話:人が集まる場所での臨時収入
谷瀬の吊り橋は、駐車場に車がひっきりなしに出入りするほどの盛況ぶりでした。これほど人が集まる場所ですが、お金がかかるのは駐車場と自動販売機だけです。
駐車場の車の誘導に、10人以上のご近所さんたちが従事されていました。不定期とはいえ、雇用の創出になっているんだなと思います。臨時収入はありがたいもの。そうしたら、もう少し商売っ気を出してみてはどうでしょう。
というのも、周辺には営業しているお店はありませんでした。しばらく車を走らせても、ありませんでした。
もしここに、おやつや軽食になりそうなものとか、コーヒーの臨時販売や、キッチンカーとかがあれば、土日祝だけの営業でも、かなりの収益が見込まれるんじゃないか・・・なんて考えるのは私だけじゃないはず。ゑびす荘で飲んだ、谷瀬の日本酒だって、お土産にと買い求める人がいるはず。
人が集まる環境がもうできているので、お宿や飲食店、もしくは村が中心となって、地域にお金を落としてもらうようできそうだなと考えるのでした。
以上、十津川村訪問記でした。
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