泊まれるお寺「宿坊」をはしごする旅。真夏の高野山「光明院」で、至福のひと時を過ごしました。
二つの宿坊を泊まり歩いたので、それぞれどんなお宿だったのかをご紹介します。今回は「光明院」です。
<光明院の宿泊施設概要>
光明院は、奥之院の入り口である一の橋まで、350mという立地です。
メイン通りから、脇道にそれて坂を3分ほど登ったところにあります。上り坂は二股に道が分かれますが、門柱を入るように左手に進みます。
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二つのお寺の名称が掲げられています。高野山には、昔は今より多くの小さな寺院がたくさんあり、それが統合されて一つのお寺になったと聞きました。こちらもそういうお寺の一つなのかもしれません。
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門を入って左前方に玄関、正面には宿泊した部屋がある建物が見えました
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到着するとまず、床の間のある立派な和室に案内され、お抹茶とお菓子のお接待がありました。チェックインもその部屋で手続きします。
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宿泊した部屋は、8畳の和室×2と、広々としていました。入ると座卓のある客間。部屋にカギはなく、廊下から障子と襖を隔ててお部屋、というスッキリ具合です。
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襖の奥に寝室。到着時にお布団は敷いてありました。
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座卓の上には、高野山のお菓子「みろく石」。
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部屋で写経ができるよう、写経セットが人数分ありました。(筆ペン・練り香・写経の手順が書かれた説明書)
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部屋には、水回りは一切なく、お風呂・トイレ・洗面は共同です。
私が泊まった日のお風呂の時間は、女性は17-18時、19-20時の2回、男性は18-19時、20-21時の2回でした。
宿泊した8月中旬のスケジュールは、17時から瞑想体験があり、夕食が18時又は18時半からでした。これらが、お風呂の時間と被るため、かなり限られた時間帯で利用することになります。
部屋にクーラーが無く、扇風機だけだったので、快適に過ごせるかちょっと不安に思いましたが、部屋の中はさほど暑くなく、扇風機で大丈夫でした。お寺の方の話では、高野山は標高800mという山の上で、気温は下界より5度程度低いそうです。
<夜の精進料理>
夕食も、お抹茶をいただいた和室の個室で、ゆったりした気分でいただけました。
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光明院の夕食は、本格的な精進料理。
この精進料理を楽しむことを目的に、品数の多い「三ノ膳プラン」で申し込んでいました。並んだお膳は、肉も魚も使われていないのが、信じられないような豪華さでした。
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こんにゃくや生麩などで、お造り盛り合わせのような色合いの前菜は、白みそベースのつけだれで。
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サクッと揚がった天ぷらには、抹茶塩が添えられています。
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炊き合わせは、食材ひとつひとつ、丁寧に味が染み込ませてありました。
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海藻と野菜の酢の物は、夏季にちょうどのさっぱり味で、彩りも涼し気です。
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椀物の厚揚げは、豆腐の中が具沢山。
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光明院では、アルコールはありません。食事の飲み物を尋ねられることもありませんでした。
そのため、白米が進む!お茶碗に2杯はぺろりでした。お櫃には、一人あたり茶碗に大盛り2杯分程度入っていました。
食事を終えて部屋を出ると、シンと静まり返った館内。余計な音が一切ないので、自然と静かに過ごす気分になりました。
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<朝のおつとめ>
光明院の朝のおつとめは、7時から。朝の涼しい空気の中、勤行に参加するため、本堂へ向かいます。他の宿泊客の方々も、続々と本堂に集まりました。
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どのお寺でもそうですが、朝のおつとめは、お寺の僧侶の方々がお経を合唱されますが、数人の声でもお堂内に大きく響き渡り、それはそれは心地よいのです。ただ座っているだけで、じんわりリラックスするような。
また、これもどのお寺でもそうですが、僧侶の方々が読経されている間に、お焼香の声掛けをいただいて、一人ずつお焼香をします。
光明院の朝のおつとめの時間は、読経とご住職のお話とで、30分ほどでした。
本堂の写真は、朝のおつとめ以外の時間であれば、どうぞお撮りくださいと案内いただいたので、何枚か撮らせていただきました。
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光明院の本堂も、天井からたくさんの燈籠が吊るされています。一つ一つ、先祖代々とか戒名が彫られていました。仏様のところまで燈籠の光を灯して、迷わず進めるように、という願いが込められているそうです。
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<朝の精進料理>
朝のおつとめの後、朝食が、夕食と同じ部屋に用意されていました。
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到着時のお茶と夕食・朝食と、部屋ごとにこのような個室だったので、会話も感染も気にせず過ごせて快適でした。
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<護摩行>
光明院では、毎朝8時から護摩行があるということで、朝食後こちらも参加させていただきました。
部屋に護摩木とペンが置いてあり、希望者は願い事と氏名を書いて持っていくと、護摩行で焚いてもらえます。
志納金 1本500円
護摩行は写真OKと案内いただいたので、控えめに何枚か撮らせていただきました。
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これまで、護摩行を後ろから眺めることはありましたが、その場に参加させていただくのは初めて。
手で印を結んで、お経を唱えながら火をおこすところから始まり、火中にお米や何かの葉、油のようなものなどを、順に投げ入れて、段々と火を大きくします。燃えてくると、願い事の書かれた護摩木も一緒に燃やして、炎の前でお経を唱えます。
その一部始終に、作法というか手順が決まっているのでしょう、迷いなく、一心不乱に祈禱する、といった感じでした。これが密教か、と実感できるひと時で、参加してとても良かったです。
途中、普段身に着けているもの、財布や時計などを炎で清めてもらえますので、護摩行に参加する場合はそういったものを持参していくと良いと思います。
宿坊に泊まると、ホテルや旅館のようなサービスを受けて快適に過ごせるわけではないのですが、僧侶の方々の修行の様子を見て直接話を聞き、精進料理を味わい、朝のおつとめを含めたお寺での時間の流れを感じることができて、一晩の非日常を味わえます。
いつかまた、高野山の宿坊に来ることがあるだろうな、という余韻を残しつつ、チェックアウト。とても良い宿泊となりました。
光明院のホームページはこちら
以上、世界遺産高野山にある宿坊の一つ、光明院の宿泊記でした。
コメント
一見すると普通の会席料理に見えます!!
そうですよね、実際に見て本当に驚きました!見た目だけでなく、味も良くって・・・・。すごいものです・・・!