三井寺のお隣というか、同じ敷地内のように感じるほど近い場所にある、静かなお寺「圓満院」に泊まらせていただきました
※記載内容は2024年5月のものです。
圓満院の宿坊
宿坊に、お寺に泊まるということを覚えて以来、旅の目的地に宿坊がある場合は優先的に候補にあげています。
今回は、連休の間に、琵琶湖の南東部観光の際に三井寺の隣にある「圓満院」に宿泊をさせていただきました。
お隣三井寺にも、評価の高い宿坊があります。とても高級なので検討もできないのですが、それ以前に予約がいっぱいでした。
圓満院の最寄りの大津京駅は、京都駅からJRで10分程度の距離にあるので、観光拠点としても便利な場所ですね。
車で行ったのですが、広い駐車場は無料。
宿坊の場所は、お寺正面の表示に従って進んだところにある、コンクリートの建物でした。
外観の写真を撮っていませんが、建物は古く、館内は絨毯敷きでスリッパはありませんでした。
部屋は、非常にシンプルな和室です。
プラスチック廃棄物の削減のために、アメニティはほとんどありません。
受付に、ハブラシとT字剃刀がそれぞれ100円で売られています。売られているハブラシの質は決して良いものではないので、100円で買うなら持参がおススメです。
部屋に備え付けのものは、浴衣と大小タオルが一組だけ。
全体的に古びていて、さほど清潔感はありません。これまで泊まってきた宿坊と比べると、営利目的の宿とは完全に一線を画している宿坊スタイルだなと感じました。
布団はセルフです。
布団の敷き方とたたみ方の説明が、写真付きで置いてありました。説明が英語併記だったので、海外からのお客さんも多いのでしょうね。
宿泊の建物廊下の突き当りからは、琵琶湖と、湖上のたくさんのヨットが見えました
部屋に荷物を置くと、お寺の方が重要文化財指定「宸殿(しんでん)」と、名勝史跡指定「三井(みい)の名庭」をご案内くださいました。
三井の名庭に向かって寛げるよう、じゅうたんやイスが置かれています。他に人がいないので、説明いただいたあとは、とにかくゆっくりできました。
希望すると、庭を眺めてのお抹茶が、800円でいただけます。
圓満院は、門跡寺院(皇室にゆかりのあるお寺)のひとつだそうです。
名前は分かりませんが、扇子を投げて遊ぶゲーム、自由に体験できました!
部屋に小さくて古いタイプのお風呂がついていましたが、館内1階に、夜だけ使える男女別の大浴場があり、そちらに入らせてもらいました。
脱衣所の床周辺の補強にはガムテープが使われ、すみずみまで掃除が行き届いているとは言えない大浴場でしたが、貸し切り状態だったので、気兼ねなくビクビクキョロキョロしちゃいました。
食事は、精進料理の事前予約制なのですが、おそらく仕出しのお食事なのでしょう、最低人数が4名とされています。
こちらは二人での宿泊だったので、夕食は大津京駅近くのイタリアン、朝食はベーカリーカフェへと、外に美味しいものを食べに行きました。
飲食店は、散歩ついでに頑張れば歩いて行ける範囲にありました。
すぐそばにないので、便利とは言えません。お寺に泊まるのに便利さを求めてはいけないか。
さて、宿坊に泊まったら一番のエンターテインメントと言えるのが朝のお勤めです。
護摩堂(本堂)で行われる朝のお勤めは、7時半から。
宿坊の宿泊者は無料で参加できます。
風情のある木製の渡り廊下の先にある本堂
庭を見下ろす高台に建っています。
朝のお勤めでは、読み仮名をふったお教の本を配布して、一緒にお経を唱えることができます。が、それがどんなに難しいかを知った朝でした。
緩急はあるものの、漢字から漢字へ移るスピードがとても早い。目も口も付いていけない。そして複雑な抑揚で唱えるので、楽譜が無い音楽を聴きながらマネして追っているような状態になりました。
1つのお経を唱えるごとに、素人の私たちに、次はどういう主旨のお経を唱えるのかを説明してくださったのが、初めてのサービスでした。概要を知るだけで、漢字の羅列でもなんとなくそういうものかと納得しながら聞けました。
朝のお勤めは、ニューヨークから旅行に来ているという学生さんと一緒だったのですが、彼らも、お経の意味はもちろん全く分からないけれど、読経の響きが心に沁みたって言ってました。
ちなみにこの学生さんたち(男性)は、前日に日本に到着して最初の宿泊がこの宿坊だったそうです。
ちょっと話してて発覚したのですが、大浴場の入り方が分からず、下着をつけたまま入浴してしまったそう!
脱衣所で全部脱いで、まず体を洗ってから湯船につかるのだということを教えたら、「これで覚えたから次からは大丈夫!」と笑顔でしたが…。
布団の上げ下げが英語表記だったので、大浴場にもイラストと英語で日本のお風呂の入り方を書いておいた方がいいのではないでしょうか。
三井寺観光
天台寺門宗の総本山 三井寺(園城寺)
宿泊した圓満院から歩いて数分の場所です。
朝早く、まだ観光客が少ない時間帯に参拝できました。
志納料 1,000円
訪れた日は、金堂で百体観音を特別公開している時でした。
秩父、西国、坂東の札所の観音像がずらりと並んでいる姿は圧巻でした!
三井の晩鐘
日本三名鐘に数えられているそうです
音色が優れていることで、毎年大晦日の除夜の鐘には行列ができるのだとか。
新緑と三重塔が美しかった!
この三重塔、もとは奈良のお寺にあったものが寄進された、室町初期の建築だそうです!
長い階段を上ったさきにあるのが・・・
百観音の一つ、西国14番札所の観音堂です
ここからも琵琶湖の景色が楽しめました。
三井寺は、見ごたえがありました。
今の大河ドラマ『光る君へ』の時代には、もう信仰を集めていたお寺なんですよね。その昔にカメラを設置できれば、当時の様子が見えるのに、なんて夢物語を、大河ドラマは映像化するのだから、想像部分が大変を占めるとしても本当にすごい作品だなーと思います。
過去の宿坊と比べて
これまで、京都市内や延暦寺、高野山、永平寺の宿坊に泊まって(このブログに宿泊記をのせているものもあります)が、今回の圓満院が一番、飾り気がないというか、ただお寺で宿泊をする部屋を借りた、という印象を受けた、純粋な(?)宿坊でした。
過去の宿坊関連の記事をいくつかピックアップしますので、よろしければ読んでみてください。
延暦寺の宿坊に泊まったブログ記事↓
高野山の宿坊に泊まったブログ記事(2ケ寺)↓
光明院
西禅院
以上、琵琶湖のほとり、大津市の圓満院宿泊記でした。
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